[メイン2] ナースロボ :  

[メイン2] ナースロボ : 「どうします?」
にこりと

[メイン2] 錦木千束 : 「ふふっ……そうだね」

[メイン2] 錦木千束 : 「私の方はもう十分ナースちゃんに尽くされちゃったしねー」

[メイン2] ナースロボ : 「おや」

[メイン2] ナースロボ : 「そういうものですから、お気になさらず…」
にこにこ

[メイン2] 錦木千束 : ほーんと、こういう所が凄くいい子なんだよね。

[メイン2] 錦木千束 : ナースちゃんのための休暇でもあるのに

[メイン2] 錦木千束 : 「……よーし」

[メイン2] 錦木千束 : 「攻守交代のお時間だ」

[メイン2] ナースロボ : 「こうしゅ?」

[メイン2] 錦木千束 : 「せっかくだしナースちゃんの背中も流してあげるって事だよ」

[メイン2] ナースロボ : 「私の、ですか?」

[メイン2] ナースロボ : 「衛生維持機能は機能していますが…」
体を軽く見つつ

[メイン2] 錦木千束 : 「まあ裸のお付き合いってやつですよ、ほれほれ」

[メイン2] 錦木千束 : 「普段から感謝してるのもあるしね。ちょっとくらいお返ししたいもん」

[メイン2] ナースロボ : 「ん…」

[メイン2] ナースロボ : 「では、そういうことなら、ですかね」

[メイン2] ナースロボ : 「えーっと…」

[メイン2] 錦木千束 : 「うーん、素直でいい子だねぇ」

[メイン2] ナースロボ : 自身のボディを隠してるフィルタを外して

[メイン2] ナースロボ : 「お任せしますね」
そのまま座る

[メイン2] 錦木千束 : 「はいよー」

[メイン2] 錦木千束 : お湯を出して、自分の手で湯加減を確かめ

[メイン2] 錦木千束 : 「一旦かけるよー、熱かったら言ってね」

[メイン2] ナースロボ : 「はい」

[メイン2] ナースロボ : んー、と
静かに待っている

[メイン2] 錦木千束 : 「そー……れっ!!!」

[メイン2] 錦木千束 : 言葉だけは勢いつけるも
かけ方は優しく丁寧にする

[メイン2] ナースロボ : 「ん…丁度いい暖かさですね」

[メイン2] 錦木千束 : 「はいはーい、じゃあそのままそのまま」

[メイン2] ナースロボ : 「はい、お願いします」

[メイン2] 錦木千束 : 一旦お湯をで流し終えて
今度は丹念に泡を作り

[メイン2] ナースロボ : 「あわあわですね」

[メイン2] 錦木千束 : 「ふっふっふ……こういうのは割りと経験あるからねー」

[メイン2] ナースロボ : 「妹さんでも?」

[メイン2] 錦木千束 : いやいや、やらしい話じゃないよ?

[メイン2] 錦木千束 : 小さい子供の面倒見る際に割りとあったりしてさ。

[メイン2] 錦木千束 : なんてどこに向けてるのか分からない自己弁護を挟みつつ

[メイン2] 錦木千束 : 「そろそろ行きますよー」

[メイン2] ナースロボ : ちらりと錦木の様子を見て

[メイン2] ナースロボ : 「はーい」

[メイン2] 錦木千束 : 「ふっふっふ……」
手をわきわきさせた後、そのまま

[メイン2] ナースロボ : 「ん…?」
ワキワキさせるのを見て

[メイン2] 錦木千束 : み、見られとる…!

[メイン2] 錦木千束 : まあ元からやらしいことやるつもりじゃないから別にいいんだけど

[メイン2] 錦木千束 : 「そーれ」
優しく手を背中に伸ばし、泡で丁寧になぞり始める。

[メイン2] ナースロボ : 「ん…」

[メイン2] ナースロボ : 医療用故の敏感なセンサーが反応する

[メイン2] ナースロボ : 「なんだか、新鮮です」

[メイン2] ナースロボ : 「フィルター外して触られているのは…」

[メイン2] 錦木千束 : 「よきかなよきかな」

[メイン2] 錦木千束 : 「普段はどうしてるだっけナースちゃん」

[メイン2] ナースロボ : 「普段ですか?」

[メイン2] 錦木千束 : 「衛生機能装置だとかは言ってたけど」

[メイン2] ナースロボ : 「えーっと、専用のボックスに入って~」

[メイン2] ナースロボ : ロッカーくらいのサイズをジェスチャーして

[メイン2] 錦木千束 : 「ほんほん…」

[メイン2] ナースロボ : 「その中で洗剤のミストで洗浄します」

[メイン2] 錦木千束 : 「うーん、派手」

[メイン2] ナースロボ : 「アンドロイドですので」

[メイン2] 錦木千束 : 「なるほどね」

[メイン2] 錦木千束 : 「まっナースちゃんみたいに触診やマッサージまではできないものの、私だって身体洗うのは得意だからね」

[メイン2] ナースロボ : 「何か不備がありましたでしょうか…」

[メイン2] 錦木千束 : 「立派に対抗してみせちゃうよ」

[メイン2] ナースロボ : 「おや」

[メイン2] ナースロボ : 「…フフ」

[メイン2] ナースロボ : 「はい、楽しみです」

[メイン2] ナースロボ : 「される側は初めてですから…」

[メイン2] 錦木千束 : 「そーれそれ」
身体を洗うさなか、身体の質感を手で感じとって。

[メイン2] 錦木千束 : いやーほんとスベスベだし、綺麗な裸してるねー………

[メイン2] ナースロボ : 「え、えっと」

[メイン2] ナースロボ : 「うふーん?」

[メイン2] ナースロボ : リアクションが下手

[メイン2] 錦木千束 : ……私はセクハラ親父か。

[メイン2] 錦木千束 : 「おや誘っているのかい?」

[メイン2] ナースロボ : 「さ、誘い…ですか?」

[メイン2] ナースロボ : 「何のことでしょう…」
ぐるぐる

[メイン2] 錦木千束 : 「そんな悪い子はー………」

[メイン2] 錦木千束 : 「こ・う・だー!!!」

[メイン2] 錦木千束 : 首もとや背中をくすぐり始める

[メイン2] ナースロボ : 「う、うひゃあ」

[メイン2] ナースロボ : 「な、なんでしょう、勝手に動いてしまいます」

[メイン2] ナースロボ : 手足がわなわなしている

[メイン2] 錦木千束 : 「ほれほれほれほれ」

[メイン2] ナースロボ : 「は、反射反応がはじめてです~!」

[メイン2] 錦木千束 : わきにも手をだして

[メイン2] ナースロボ : 「う、うひひ…!?」

[メイン2] ナースロボ : びくびく揺れてる

[メイン2] 錦木千束 : 「いい反応だねえ…どんどんしたくなっちゃうねえ……」

[メイン2] 錦木千束 : と言いながらも

[メイン2] 錦木千束 : 少し続けたら手を止め

[メイン2] ナースロボ : 「はふー…」

[メイン2] ナースロボ : 「びっくりしました」

[メイン2] 錦木千束 : 「さーて、そろそろ流しますよー」

[メイン2] ナースロボ : 「は、はい…」

[メイン2] ナースロボ : 目を瞑っている

[メイン2] 錦木千束 : あんまり遊びすぎて身体冷やさせちゃ駄目だしね。

[メイン2] 錦木千束 : 最初に流した時の温度を思い出しながら、出したお湯に手を当て

[メイン2] 錦木千束 : ちょうどいい温度になったのを確認して、ゆっくりとかけ始める

[メイン2] ナースロボ : 「んんー…」

[メイン2] ナースロボ : 「あふぅ」

[メイン2] ナースロボ : さっきの擽りで触感センサーが最大値になっているのだ!

[メイン2] 錦木千束 : ちょっとやりすぎた……?

[メイン2] 錦木千束 : 「………」

[メイン2] 錦木千束 : 「ままままま、」

[メイン2] ナースロボ : 「…?」

[メイン2] 錦木千束 : 「前も洗って早くお風呂入っちゃおうか」

[メイン2] ナースロボ : 「あ、はい」

[メイン2] ナースロボ : 「洗います?」

[メイン2] 錦木千束 : …………

[メイン2] 錦木千束 : ナースちゃんのこの顔……

[メイン2] 錦木千束 : 今これ任せたら

[メイン2] 錦木千束 : なんか……まずい気がする

[メイン2] 錦木千束 : 「だ、大丈夫大丈夫!自分でやれるから!」

[メイン2] ナースロボ : 「あ、はい」

[メイン2] ナースロボ : 「では…」
自分の体をサーっと洗い始める

[メイン2] ナースロボ : 「ふひ…」
くすぐったそうに

[メイン2] 錦木千束 : 「……」

[メイン2] 錦木千束 : ……まずい事しちゃった気がする。

[メイン2] ナースロボ : 「んん…」
少し不思議そうにしつつ

[メイン2] ナースロボ : ちらりと見てから

[メイン2] ナースロボ : 「酷いです」
クスリと笑いつつ

[メイン2] 錦木千束 : 「ご、ごめんって」

[メイン2] ナースロボ : 「初めてです、バグでしょうか」

[メイン2] ナースロボ : 「…ふふ」

[メイン2] ナースロボ : 「お湯、浸かっておきますね」

[メイン2] 錦木千束 : 「はーい、私もすぐ行くよー」

[メイン2] ナースロボ : 「はーい」

[メイン2] ナースロボ : 「…ん」

[メイン2] ナースロボ : 「あつい…」
敏感になった分、温度にも

[メイン2] 錦木千束 : 「んー、大丈夫?」

[メイン2] 錦木千束 : 「ここのお湯割りと熱いしね」

[メイン2] ナースロボ : 「はい、大丈夫です」

[メイン2] ナースロボ : 「機材としては問題ないですから」

[メイン2] 錦木千束 : 「のぼせたりとかしない?大丈夫?」

[メイン2] ナースロボ : 「逆上せ…ううん」

[メイン2] ナースロボ : 2b100 平常/オーバーヒート (2B100) > 84,15

[メイン2] ナースロボ : 「大丈夫です、心配ありがとうございます」

[メイン2] ナースロボ : にこり

[メイン2] 錦木千束 : 「そっか、よかったよかった」

[メイン2] ナースロボ : 「錦木さんも、熱かったら行ってくださいね」

[メイン2] 錦木千束 : 「ふふっ…心配してくれてありがとうね」

[メイン2] 錦木千束 : 「……いつも」

[メイン2] ナースロボ : 「?」

[メイン2] ナースロボ : 「それが私の運用用途ですので」
笑みを返し

[メイン2] 錦木千束 : 「………」
ナースちゃんのこういう所が好き、なんだけど

[メイン2] 錦木千束 : 今は…なんだろう…

[メイン2] 錦木千束 : 「ふふっ…ナースちゃんのお陰で私も余生楽しめてますよ」

[メイン2] ナースロボ : 「余生?」

[メイン2] ナースロボ : 「まだまだ健康盛りと思われますが…」

[メイン2] 錦木千束 : ………やっべ。

[メイン2] 錦木千束 : 「……ははは、それくらい幸せって事だよー」

[メイン2] ナースロボ : 「ふふ」

[メイン2] ナースロボ : 「でしたら満足です」

[メイン2] ナースロボ : 「ですが、健康は大事にしてくださいね?」

[メイン2] ナースロボ : 「何も無いからと言え、不摂生はいただけませんよ?」

[メイン2] 錦木千束 : 「……そうだね」

[メイン2] 錦木千束 : 「私も元気で過ごせたらそれが一番だし」

[メイン2] ナースロボ : 「まだまだ、面倒を見る必要がありそうですね」

[メイン2] ナースロボ : ふふんと

[メイン2] 錦木千束 : まだまだ、か。

[メイン2] 錦木千束 : いつまでお世話になれるんだろうね、私。

[メイン2] 錦木千束 : 「本当幸せ者ですよ私は」

[メイン2] ナースロボ : 「幸福感があるのは良い事です」

[メイン2] ナースロボ : 「精神の健康は、体に直結しますから」

[メイン2] 錦木千束 : ……………

[メイン2] 錦木千束 : 私がいなくなったら

[メイン2] 錦木千束 : ナースちゃん、どういう反応しちゃうんだろうね。

[メイン2] 錦木千束 : 「私はいつまでも元気じゃよばあさんや」

[メイン2] ナースロボ : 「ばあさん」

[メイン2] ナースロボ : 「…ふふ、おかしなことを」

[メイン2] ナースロボ : 「私は年を取りませんよ、錦木さん」

[メイン2] 錦木千束 : 「ずっと若いままだなんて羨ましいねー」

[メイン2] 錦木千束 : 「そのまま私の事もずっと忘れないでいてくれよー?」

[メイン2] ナースロボ : 「若い…かどうかはわかりません、ですが」

[メイン2] ナースロボ : 「私は忘れませんよ」
「大事な患者さんですし」

[メイン2] ナースロボ : 「…アンドロイドの私を旅行に連れ出してくれるくらい、大事な友人さんです」

[メイン2] 錦木千束 : 「嬉しいねえ本当」

[メイン2] 錦木千束 : 本当に。

[メイン2] 錦木千束 : 「……………」

[メイン2] 錦木千束 : 「私さ」

[メイン2] ナースロボ : 「?」

[メイン2] ナースロボ : 「はい」

[メイン2] 錦木千束 : 「いつか遠くまで、長い間旅に出ようかなーって思ってるんだ」

[メイン2] ナースロボ : 「旅ですか…」

[メイン2] ナースロボ : 「いいですね、新天地を見るのは新しい視点を得る助けになりますから」

[メイン2] ナースロボ : 「きっと、良い経験になります」

[メイン2] 錦木千束 : 「うん」

[メイン2] 錦木千束 : 「色んな所行ってさ」

[メイン2] 錦木千束 : 「色んな所見て」

[メイン2] 錦木千束 : 「いっぱい楽しくやって」

[メイン2] ナースロボ : 「ええ」

[メイン2] 錦木千束 : 「そしたらしばらく、ナースちゃんには会えなくなっちゃうかも」

[メイン2] ナースロボ : 「おや……………」

[メイン2] ナースロボ : 「………」

[メイン2] ナースロボ : 複雑そうな顔はするが
何と答えるか悩んで

[メイン2] ナースロボ : 「それが錦木さんにとって大事な事なら、仕方ないですから」

[メイン2] ナースロボ : にへら、と

[メイン2] 錦木千束 : 「………大事な事、か」

[メイン2] ナースロボ : 「はい」

[メイン2] ナースロボ : 「…そうですよね?」

[メイン2] ナースロボ : 「それとも…他の事情が?」

[メイン2] 錦木千束 : 「まあなんと言いますか」

[メイン2] 錦木千束 : 「私はナースちゃんが幸せならそれでいいんだよー」

[メイン2] ナースロボ : 「…」

[メイン2] ナースロボ : 「私の幸せは、患者の皆さんの幸せです」

[メイン2] ナースロボ : 「健康で、幸せで」

[メイン2] ナースロボ : 「おじいちゃんおばあちゃんになっても元気でいてくれたら…」

[メイン2] ナースロボ : 「それが一番です」

[メイン2] 錦木千束 : 「………そっか」

[メイン2] 錦木千束 : なんだろう

[メイン2] 錦木千束 : ずっと、そうしたいって決めてたんだけど

[メイン2] 錦木千束 : 私はナースちゃんに、なんて言って貰いたかったのかな。

[メイン2] 錦木千束 : 「………」
少しうつむいて

[メイン2] ナースロボ : 「…ぁ」

[メイン2] ナースロボ : 「大丈夫です?」

[メイン2] 錦木千束 : 湯に口をつけぶくぶくと泡をだす

[メイン2] 錦木千束 : 「んー……………」

[メイン2] ナースロボ : 「……………」

[メイン2] ナースロボ : 「お気軽に、言ってくださいね」

[メイン2] ナースロボ : 「今は…えと」

[メイン2] ナースロボ : 「錦木さんの、かかりつけ医ですよ」

[メイン2] ナースロボ : 「私が…」
あはは、と

[メイン2] 錦木千束 : 「………」

[メイン2] 錦木千束 : そのままナースの隣でよりかかり

[メイン2] 錦木千束 : 少し黙ったまま

[メイン2] ナースロボ : 「…ん」

[メイン2] ナースロボ : 静かに待つ

[メイン2] ナースロボ : 普段であれば、少しでも症状を聞き出そうとする、が

[メイン2] ナースロボ : 今は一人の"友人"で"傍に居る存在"である

[メイン2] ナースロボ : 故に、寄り添う事を優先して

[メイン2] 錦木千束 : 「……………」

[メイン2] 錦木千束 : 「そろそろ、上がろっか」

[メイン2] ナースロボ : 「はい」

[メイン2] ナースロボ : 「…少し長く浸かり過ぎましたね」

[メイン2] ナースロボ : 「部屋に戻る前に、涼みません?」

[メイン2] 錦木千束 : 「ん、いいよ」

[メイン2] 錦木千束 : 「私もちょっと、涼しい場所で落ち着きたい気分だしね」

[メイン2] ナースロボ : 「では」

[メイン2] ナースロボ : ゆっくり上がって

[メイン2] ナースロボ : 「行きましょうか」

[メイン2] ナースロボ : にこり

[メイン2] 錦木千束 : 「うん」

[メイン2] 錦木千束 :  

[メイン2] 錦木千束 :  

[メイン2] 錦木千束 : そんなこんなでちょっとした夜道。

[メイン2] ナースロボ : 普段の白衣ではなく
ゆるっとした浴衣姿で

[メイン2] 錦木千束 : 夜中あんまり知らない場所に女の子2人じゃちょっと危ない?

[メイン2] 錦木千束 : ノンノン、そんな事はありません。

[メイン2] 錦木千束 : 私がいるからね。

[メイン2] ナースロボ : 「ここら辺は自然が豊かでいいですね」

[メイン2] ナースロボ : 「私が普段いるのは都会の病院ですから…初めてです」

[メイン2] 錦木千束 : 「あははっ、喜んでくれると誘ったかいがあるよ」

[メイン2] ナースロボ : 「えへへ…」

[メイン2] 錦木千束 : 「私も好きだよーここ」

[メイン2] 錦木千束 : 「こんな感じのいい場所、今後も二人で沢山行きたいね」

[メイン2] ナースロボ : 「沢山…そうですね」

[メイン2] ナースロボ : 「誘ってくれるなら、是非…」

[メイン2] ナースロボ : ふふ、と
自然な笑みで

[メイン2] 錦木千束 : …………

[メイン2] 錦木千束 : さっきあんな事言ったのに、何言ってるんだろ、私。

[メイン2] 錦木千束 : 「……ふふふ」

[メイン2] 錦木千束 : 「今回はちょっと間に合わなかったけど」

[メイン2] 錦木千束 : 「次回はしっかり調べあげてレクチャーしてあげるからね」

[メイン2] ナースロボ : 「レクチャー、ですか」

[メイン2] 錦木千束 : 「美人ガイド錦木千束との楽しい旅行ですぞ~」

[メイン2] ナースロボ : 「それは…楽しみですね」

[メイン2] ナースロボ : 「教えられるのは…新鮮ですから」

[メイン2] ナースロボ : 「…それに、そしたら側で見てあげられますし」

[メイン2] 錦木千束 : 「………へへへっ」

[メイン2] 錦木千束 : 「………」

[メイン2] 錦木千束 : 少し空を見上げる。

[メイン2] 錦木千束 : 「こういうのも、都会じゃあんまり見られないよね」

[メイン2] ナースロボ : 「…ええ、はい」

[メイン2] ナースロボ : 「いつもは街の光が隠しちゃいますから」

[メイン2] ナースロボ : 「………」

[メイン2] 錦木千束 : 「流れ星、こないかな」

[メイン2] 錦木千束 : 「なーんて」

[メイン2] ナースロボ : 「願い事ですか?」

[メイン2] 錦木千束 : 「ん、」

[メイン2] 錦木千束 : 「どうしようもない事とか、そういうのもあるから」

[メイン2] 錦木千束 : 「まあでも」

[メイン2] 錦木千束 : 「奇跡はもう、一回起きちゃってるから」

[メイン2] 錦木千束 : 「これ以上は贅沢かなー」

[メイン2] ナースロボ : 「願うのは、誰にでも許されます」

[メイン2] ナースロボ : 「私はアンドロイドですけど」

[メイン2] ナースロボ : 「…一緒に居たいと、願ってますよ」

[メイン2] 錦木千束 : 「……………」

[メイン2] 錦木千束 : 「そっか……」

[メイン2] 錦木千束 : 「もうちょっと…贅沢になってもいいの、かもね」

[メイン2] ナースロボ : 「だって」

[メイン2] ナースロボ : 「…これからも、何年も生きていくんですから」

[メイン2] 錦木千束 : 「何年も………」

[メイン2] ナースロボ : 「はい」

[メイン2] 錦木千束 : 何年…………

[メイン2] ナースロボ : 「健康的な女性の平均寿命は80ちょっと」

[メイン2] 錦木千束 : 「…………だろうね」

[メイン2] ナースロボ : 「技術も進めば、もっと、もーっと…」

[メイン2] ナースロボ : 「…」

[メイン2] 錦木千束 : 「…ごめん」

[メイン2] 錦木千束 : 「ちょっと」

[メイン2] 錦木千束 : 「……………………」

[メイン2] ナースロボ : 「?」

[メイン2] 錦木千束 : 「…………いい、かな?」

[メイン2] ナースロボ : 「はい、勿論」

[メイン2] ナースロボ : くるり、向き直る

[メイン2] 錦木千束 : ………いいのかな

[メイン2] 錦木千束 : 卑怯じゃ、ないよね…?

[メイン2] 錦木千束 : ……………大丈夫

[メイン2] 錦木千束 : ナースちゃんが、そう言ってくれたから。

[メイン2] 錦木千束 : 「私ね、」

[メイン2] 錦木千束 : 「ナースちゃんと、一緒にいたい」

[メイン2] ナースロボ : 「…」

[メイン2] ナースロボ : 「私もです」
にこり

[メイン2] 錦木千束 : 「………ふふ、」

[メイン2] 錦木千束 : 「そっ…か……」

[メイン2] 錦木千束 : 「………ふふ、ふふふふっ」

[メイン2] 錦木千束 : 「私、ずっとナースちゃんと一緒にいたい」

[メイン2] 錦木千束 : 「これから先、ずっと」

[メイン2] ナースロボ : 「…ふ、ふふ」

[メイン2] ナースロボ : 「専用契約ですか?錦木さん」
冗談っぽく

[メイン2] 錦木千束 : 「うん」

[メイン2] ナースロボ : 「おや、でしたらー」

[メイン2] ナースロボ : 「っえ」

[メイン2] ナースロボ : 普段通りの態度に、驚きが混じる

[メイン2] 錦木千束 : 「………思い返せば、あの時から決めてたはずだったんだ」

[メイン2] 錦木千束 : 「これから先、なるべく後悔しないよう、自分の思うままに生きるって」

[メイン2] 錦木千束 : 「うんと楽しく生きたいって」

[メイン2] ナースロボ : 「…はい」

[メイン2] 錦木千束 : 「ナースちゃんのお陰で、思い出せた。自分で気づけた。」

[メイン2] 錦木千束 : 「もう」

[メイン2] 錦木千束 : 「──いつまで生きていられるか、分からないから」

[メイン2] ナースロボ : 「……!?」

[メイン2] ナースロボ : 「えっ」

[メイン2] 錦木千束 : 「昔っからね、心臓が弱かったの」

[メイン2] 錦木千束 : 「一度死んじゃいそうになった時、人工心臓作ってもらってなんとか今も元気だけど」

[メイン2] ナースロボ : 「心臓……」

[メイン2] ナースロボ : 「は、はい」

[メイン2] 錦木千束 : 「いつまで持つか、分からないんだよね」

[メイン2] ナースロボ : 「………そんな、すぐ病院に!」

[メイン2] 錦木千束 : 「もうお医者さんに見てもらって、こうなんだ」

[メイン2] ナースロボ : 「…………」

[メイン2] ナースロボ : 「ぁ、あ…」

[メイン2] ナースロボ : 酷く項垂れる

[メイン2] ナースロボ : 「し、心臓…代用品…でも、いや…」

[メイン2] ナースロボ : 「ペースメーカー…ドナー…は、優先権…」

[メイン2] ナースロボ : 「……………」

[メイン2] ナースロボ : たかが一概の看護師アンドロイドには、光明が差すわけでもなく

[メイン2] ナースロボ : 「ごめん…なさい…」

[メイン2] ナースロボ : 医療を全うできないのならば、役に立てないのだから…

[メイン2] 錦木千束 : 「もーナースちゃんが謝る事じゃないってばー」

[メイン2] ナースロボ : 「…」

[メイン2] 錦木千束 : 「さっきも言ったけど、今こうしていられる事が奇跡なんだよ、私」

[メイン2] 錦木千束 : 「こうやって、ナースちゃんと今一緒にいられる事も」

[メイン2] 錦木千束 : 「悲しい事なんかじゃないよ」

[メイン2] ナースロボ : 「……でも、私、ひどいことを…」

[メイン2] 錦木千束 : 「だってこうならなかったら、ナースちゃんと出会えなかったもん」

[メイン2] ナースロボ : 「無遠慮にいっぱい…あんな…言って…」

[メイン2] 錦木千束 : 「……うれしかったよ?」

[メイン2] 錦木千束 : 「ずーっと、どんなことでも」

[メイン2] 錦木千束 : 「私のこと真剣に向き合ってくれてるって、分かるから」

[メイン2] ナースロボ : 「………」

[メイン2] ナースロボ : 「…そう、でしたか…」

[メイン2] 錦木千束 : 「それに、さ」

[メイン2] 錦木千束 : 「隠そうと思ってたのは、私だもん」

[メイン2] ナースロボ : 「…それは、仕方ないです」

[メイン2] ナースロボ : 「辛いことや、悲しいことは、素直になり難いし」

[メイン2] ナースロボ : 「きっと…」

[メイン2] ナースロボ : 「…私に言うのは、憚られていたでしょうし…」

[メイン2] 錦木千束 : 「そうやって…いつだってナースちゃんは優しい」

[メイン2] 錦木千束 : 「だから私も、決心がついたんだ」

[メイン2] ナースロボ : 「決心…」

[メイン2] 錦木千束 : 「もう我慢しないって」

[メイン2] 錦木千束 : 「正直に想いを言うって」

[メイン2] 錦木千束 : 「ナースちゃんが、そうやってもいいって、教えてくれたから」

[メイン2] 錦木千束 : 「……………ナースちゃん」

[メイン2] ナースロボ : 「…………」

[メイン2] ナースロボ : 「錦木さん…」

[メイン2] 錦木千束 : 「大好き」

[メイン2] ナースロボ : 「…………」

[メイン2] ナースロボ : 「……」
じっと、瞳を見つめ

[メイン2] ナースロボ : 「私もです、私も」

[メイン2] ナースロボ : 「……決心が着きました」

[メイン2] ナースロボ : 「信頼してくれたのなら…はい」
「それが、本心で…私自身も、思えますから」

[メイン2] ナースロボ : 「救います」

[メイン2] 錦木千束 : 「……………」

[メイン2] ナースロボ : 「…錦木さん」

[メイン2] ナースロボ : 「私は、諦めません」
にこり

[メイン2] ナースロボ : 「死は避けられません」
「病は誰にでも降りかかります」

[メイン2] ナースロボ : 「しかし」

[メイン2] 錦木千束 : 「…………」

[メイン2] ナースロボ : 「愛しい人を守る為、私は産まれてきましたから」

[メイン2] ナースロボ : 「諦める事を、認められる日は、来ないでしょう」

[メイン2] ナースロボ : 「ですから」

[メイン2] 錦木千束 : 「………」

[メイン2] ナースロボ : 「私を想ってくれるなら」

[メイン2] ナースロボ : 「生きると願ってほしいと、私は冀って止みません」

[メイン2] 錦木千束 : 「………っ」

[メイン2] ナースロボ : 「それに…」

[メイン2] ナースロボ : 一歩前に

[メイン2] ナースロボ : 「私を一人残す気ですか?」
手を握る

[メイン2] 錦木千束 : 「………っっ」

[メイン2] 錦木千束 : 握った手を離さないまま

[メイン2] 錦木千束 : ゆっくりと膝が崩れて

[メイン2] 錦木千束 : うつ伏せて

[メイン2] ナースロボ : 「錦木さん…」

[メイン2] 錦木千束 : 「ごめん……ね…………」

[メイン2] ナースロボ : 「謝らないでください」

[メイン2] 錦木千束 : 「ごめんね………」

[メイン2] ナースロボ : 「…いいんです」

[メイン2] ナースロボ : 「……千束さん」

[メイン2] 錦木千束 : 「……っ……」

[メイン2] ナースロボ : 「共にいたいと、言ってくれましたね?」

[メイン2] 錦木千束 : 「………うん」

[メイン2] ナースロボ : 「では」

[メイン2] ナースロボ : ぐっと手を引っ張る

[メイン2] ナースロボ : そして、そのまま千束を抱きしめて

[メイン2] ナースロボ : 「専属契約、でしたね」

[メイン2] 錦木千束 : 「…………」

[メイン2] 錦木千束 : 抱擁をうけて、

[メイン2] ナースロボ : 「私」

[メイン2] ナースロボ : 「受けます」

[メイン2] ナースロボ : そう言って

[メイン2] 錦木千束 : 内から何かか込み上げそうになって

[メイン2] ナースロボ : とても軽く、少し触れるだけの

[メイン2] ナースロボ : キスを一度、口付けして

[メイン2] ナースロボ : 「遺伝子情報、もらいます」

[メイン2] ナースロボ : ん、と
口元に指を当てて

[メイン2] 錦木千束 : 不意にとられたような、長い一瞬が過ぎた後

[メイン2] 錦木千束 : 「………」

[メイン2] 錦木千束 : 「えっ……」

[メイン2] ナースロボ : 「これで私は、専用です」

[メイン2] ナースロボ : 「遺伝子情報から、日々の習慣から明日の健康に至るまで」

[メイン2] ナースロボ : 「一人のための、ナースです」

[メイン2] 錦木千束 : 「はっ………ははは……」

[メイン2] 錦木千束 : 「ナースちゃん、大胆…」

[メイン2] 錦木千束 : 「……うん」

[メイン2] ナースロボ : 「…そうさせたのは」

[メイン2] ナースロボ : 「千束さんです」

[メイン2] 錦木千束 : 「あは……あははは……はは…」

[メイン2] 錦木千束 : そのまま前にもたれ掛かるように

[メイン2] 錦木千束 : ナースを抱き締めて

[メイン2] ナースロボ : 「ん…」

[メイン2] ナースロボ : 「体温、熱いです、いつもより」

[メイン2] ナースロボ : 「……」
そう言って、手を伸ばし抱き返す

[メイン2] 錦木千束 : 込み上げてくる思いが
嗚咽となってあがり

[メイン2] 錦木千束 : 「生きたいよ…………」

[メイン2] 錦木千束 : 「私もっと………生きてたいよ………」

[メイン2] 錦木千束 : 「もっと………ずっと………………!!」

[メイン2] ナースロボ : 「はい…絶対」

[メイン2] ナースロボ : 「絶対に、生かしますから」

[メイン2] ナースロボ : 「そして…私を」

[メイン2] 錦木千束 : 「今が奇跡だとしても……いやだ…………」

[メイン2] 錦木千束 : 「別れたくない………ずっと一緒にいたい……………!!」

[メイン2] ナースロボ : 「…私もです」
強く抱き返す

[メイン2] ナースロボ : 「私、楽しみでした」

[メイン2] ナースロボ : 「次の誘いも、次の次も」

[メイン2] ナースロボ : 「だから、次がないと嫌です」
「そばに居たいので」

[メイン2] 錦木千束 : 「うん………うん……………」

[メイン2] ナースロボ : 「私は…」

[メイン2] ナースロボ : 「同じ時を…もっと…」

[メイン2] ナースロボ : 「…だって」

[メイン2] ナースロボ : 「……作り物の私を、それでも、大切にしてくれたんですから…」

[メイン2] ナースロボ : 目を閉じて、抱きしめる

[メイン2] ナースロボ : 涙の出る機能はない、が
震える程の悲しみと愛情は溢れる

[メイン2] 錦木千束 : 崩れた顔からは、さっきからとめどなく涙が溢れ出して

[メイン2] 錦木千束 : 歪んだ表情からは、何度も嗚咽を繰り返して

[メイン2] ナースロボ : 「……きっと、新しい方法は一杯増えますから」

[メイン2] 錦木千束 : 震えながら
力一杯、抱き締めて

[メイン2] ナースロボ : 「生きていく未来は、絶対に…」

[メイン2] 錦木千束 : 「うん……うん……」

[メイン2] 錦木千束 : 「諦めたく……ない………」

[メイン2] 錦木千束 : 「私も……私も………………っ」

[メイン2] ナースロボ : 「……はい」

[メイン2] ナースロボ : 「私は諦めませんから」

[メイン2] 錦木千束 : 「…………っ…」

[メイン2] 錦木千束 : そのまま少しの間

[メイン2] 錦木千束 : 強く抱き締めた、その後

[メイン2] 錦木千束 : 「…………頑張るね、私も」

[メイン2] ナースロボ : 「はい、一緒に」

[メイン2] ナースロボ : 「一緒です」

[メイン2] ナースロボ : 「私、千束さんの物ですから」

[メイン2] 錦木千束 : 「うん、私のものだもんねー」

[メイン2] 錦木千束 : 「これからずっと、いつまでも」

[メイン2] 錦木千束 : 「だから、私も離れないよ」

[メイン2] ナースロボ : 「……ふふふ」

[メイン2] ナースロボ : 嬉しそうに、にこりと笑う

[メイン2] ナースロボ : 「私、厳しいですよ」

[メイン2] ナースロボ : 「不摂生と不健康には」

[メイン2] 錦木千束 : 「むぅー、私だってそんなにだらしなくないってばー」

[メイン2] ナースロボ : 「なら良いですよ」

[メイン2] ナースロボ : 「健康なら…いっぱい褒めます」

[メイン2] 錦木千束 : 「ちょっと映画見すぎて気づいたら朝になってたりするくらいで…」

[メイン2] ナースロボ : 「…」

[メイン2] 錦木千束 : 「…」

[メイン2] 錦木千束 : てへっ。

[メイン2] ナースロボ : 「褒めるのはお預けです」

[メイン2] 錦木千束 : 「そんなー………」

[メイン2] ナースロボ : 「直せたら…」

[メイン2] ナースロボ : 「褒めます」

[メイン2] ナースロボ : 「だから…」

[メイン2] ナースロボ : 「今度は一緒に、見ます?」
「なーんて」

[メイン2] 錦木千束 : 「…!」

[メイン2] 錦木千束 : 「いいね…!」

[メイン2] 錦木千束 : 「じゃあ今度色々選んでくるからさ!!休みのとき一緒に朝まで見よう!!!」

[メイン2] 錦木千束 : 「あっ」

[メイン2] 錦木千束 : 「あっ、えっと」

[メイン2] ナースロボ : 「…」

[メイン2] ナースロボ : 「仕方ないですね」

[メイン2] ナースロボ : 「明日からは寝床までついて行きますから」

[メイン2] ナースロボ : 「子守さんモード、です」

[メイン2] 錦木千束 : 「うえぇぇっ!!?」

[メイン2] 錦木千束 : 「………って」

[メイン2] 錦木千束 : 「えええ!!?」

[メイン2] 錦木千束 : 「本当!!!!?」

[メイン2] ナースロボ : 「………」

[メイン2] ナースロボ : 「はい」

[メイン2] ナースロボ : 「だって、専属ですから」

[メイン2] 錦木千束 : 「やったやったやった!!!」

[メイン2] 錦木千束 : 「私ずっとこういうの憧れてたんだー!!!」

[メイン2] 錦木千束 : 「1つ屋根の下で!!仲良しの女の子と!!!」

[メイン2] ナースロボ : 「むう」

[メイン2] ナースロボ : 「そういう意味で言ってたんじゃないんです?」
むーむーと

[メイン2] ナースロボ : 「私は最初から」

[メイン2] ナースロボ : 「…上がり込む気でしたし?」

[メイン2] 錦木千束 : 「あーもう拗ねないでよー」

[メイン2] 錦木千束 : 「嬉しいだけで反省してるってばー」

[メイン2] 錦木千束 : 「………って」

[メイン2] 錦木千束 : 「えっ」

[メイン2] 錦木千束 : 「えっ」

[メイン2] 錦木千束 : 「あっ、マジで……?」

[メイン2] ナースロボ : 「専属とはそういうものですし…」

[メイン2] ナースロボ : 「それに、キャンセル、できませんよ」

[メイン2] ナースロボ : れー、と
読み取った舌を見せて

[メイン2] 錦木千束 : 「………」
目線を少し向けたあと

[メイン2] 錦木千束 : 顔をほんのり赤くし、ごまかすように目を反らす。

[メイン2] 錦木千束 : 「へ、へへへ…………」

[メイン2] ナースロボ : 「ふふ…」

[メイン2] ナースロボ : 「楽しみ、です」

[メイン2] 錦木千束 :